| <発症した時期>93年3月(今から13年前) |
| きっかけ |
不明。子供の頃からアレルギー体質だった。 |
| 反応するもの |
| ■化学物質 |
・たばこ、再生紙、石油系排気ガス、溶剤、水道水など |
| ■電磁波 |
・テレビ、蛍光灯、パソコン、電話、CDプレイヤーなど
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| ■日光 |
・紫外線その他 |
| ■食物 |
・牛乳、小麦、そばなど(回転食でマスクをはずすまでは潜在的だった) |
※ESが中心で、CSは発症者の中では軽いほうと思う。 |
| 主な症状 |
| ■軽い時 |
頭がぼーっとする、疲労感、イライラなど |
| ■重い時 |
上の症状がひどくなるのに加えて、頭痛、吐き気、腕の圧迫感など |
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| 診断 |
2003年7月に北里研究所病院でCSと診断された。三つの検査のうち、眼球運動テストで異常が見られた。 |
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第一章 回復の経過
発症した年の9月頃がどん底。その後は年単位で緩やかに回復した。
01年からは、食事法とサウナで大幅に楽になった。
まだ完治はしていないので、引き続き新機軸を試している。
発症した年、ほとんどCS・ESは知られておらず知識もなかったので、孤立した中で病気に対処した。まず反応するモノや場所を遠ざけ、家の中で一番安全なところを見つけてそこに居るようにした。
次にあれこれと薬や健康食品を試した。効いたモノもあったが、奇跡的に直してくれるモノには出会わなかった(ないとは限らないが)。
97年秋、友人が日本テレビのCS特集をみて「君とそっくりの人がいた」と教えてくれた。テレビが見られない私にとって、この知らせはありがたかった。化学物質過敏症という言葉を知ることで、以前の病気との闘いが、大変有利になった。
98年にアメリカのCS事情をレポートしたラデツキーの本が国内で刊行され、私も同年か翌年に図書館で偶然見つけて読んだ。回復のためのヒントが豊かな本で、後で役立ったが、当時は体力不足であまり多く読めなかった。石川先生と宮田先生の本も折にふれて買い求め、有益だった。
00年の秋は回復の転換期だった。それまで、日頃の食事には無関心だったのが、ふとしたきっかけで、食べることの重要性に気付いた。
9月に古本屋で初めて食事療法の本を一冊買った。果物ばかりを食べるというかなり極端な方式だったけれど、早速やってみた。すると一時的だが、大きく体調が改善した。
食事だけでこれだけ変わることが驚きだった。それからは夢中になって研究した。食事法の本を買い込んで片っ端から実験した。
そういう生活を続けるうちに、回転食を進めるランドルフの本に出会った(01年1月)。それまで試した食事法にはよく聞くモノもあったが、どれも効果は一時的で、不思議に思っていたところ、彼の本を読んで氷解した。
私は食物に対して急激に感作される体質で、多くの食事法が進めるように決まった食材を続けることは、好ましいことではなかったのだ。様々な食事法を実験したときによく体験した厳しい好不調も、食事自体からきているのではなく、マスキングがとれて不安定になったためだと分かった。
回転食を始めたのは1月13日。このときもマスクが外れて体調が乱れて大変だったけれど、ランドルフの理論通りでかえって希望が持てた。
それ以降は、2月から始めたサウナとあいまって1年以上にわたって改善し続けた。症状だけでなく、感じる体質そのものが良くなった。
回転食などとともに、サウナ療法も米・ダラスのセンターの治療の柱になっている。
回転食がよく効いたので、サウナの方もやってみたくなった。まず一度、普通の営業用のサウナを利用した。普通の人よりやけどしやすい体質になっているらしく、その面では大変だったが、効果は実感できた。家庭用サウナを購入することにし、2月22日から使い始めた、汗を流すたびにすっきりと楽になったし、
その上、効果が累積していくところが素晴らしかった。そうしてできた余力で、たくさんの本が読めるようになった。この病気と関係ありそうなものは、何でも関心を持って調べた。病気を説明する仕方を何通りも学んで、混乱もしたが選択肢が広がった。
第2章 どこまで回復したか
一番具合の悪かった93年と比べて、今はどれくらい良くなったかを、場面ごとに比較してみたい。 買い物は大変だった。コンビニを例にとると、蛍光灯に反応するので長くいられず、レジの前に列ができていないかを外から確認してから店に飛び込み、秒読みで済ませた。
そのため、料金の支払いなど、どうしても必要なときしかコンビニを利用できなかった。今は蛍光灯にほとんど反応しなくなって、好きなだけ雑誌の立ち読みができる。ただし、ときたま、夜中にワックスか何かをかけているときは空気が悪くて入れない。
蛍光灯を感じなくなって、行けるところが大幅に増えた。衣類など日用品を自分で選んで買えるようになった。特に食品にはこだわりがあるので、毎日のようにショッピングセンターなどで買い物をする。いろんな素材が置いてあるホームセンターや電磁波の強い大型電気店は、今でも避けている。
回復のために読書を重視しているが、一番重い頃は、読書のための体力はなかった。余力がついてからは、多少無理をしてでも本屋と図書館に行くようにした。今はふつうに楽に読めるし、本屋にいるのも平気だ。パソコンはまだ使えず、インターネットで病気のことを調べられないのが残念。自宅では比較的安心できる。その中でも一番楽な座敷の西側を自室にしている。それでも昔は体が反応してしまい、逃げ場がなかった。眠っているとき以外は四六時中、苦しみに対して注意が釘付けになっていた。主な症状の一つは極度のイライラ。ふつうの人が一生に一度も体験しないレベルのもので、どちらかというと痛みに近い。たとえば遠くで皿洗いをしてカチャリという音が聞こえると、胸に突き刺さるように感じた。
そのほか極度の疲れもあって、いくら休んでも改善しなかった。目が覚めてトイレに行きたくなっても、だるくて2時間くらい動き出せないこともあった。それが今はほとんど無症状になった。ただし今でも体を動かすと普通の人より疲れやすいので、家事などは細々とやっている。
生活の質もだいぶ向上した。発症前はよく音楽を聴いていたのに、病気になってからはイライラするばかり。何をやっても何を見ても楽しめなかった。
回復に伴い、3年前からようやくひと心地つけるようになり、楽しさや喜びの感情が戻ってきた。
重傷だった頃「システム破綻」と呼んでいた症状に落ち込むことが、よくあった。
病気の苦しみの中で、これが一番つらい。始まりは目の奥の痛み、それが広がって激しい頭痛になる。強い吐き気と悪寒を伴う。まるで拷問にかけられているようだ。体に無理をかけてしまった時に陥りやすい。いったん入ると、抜け出すまでに2〜3日かかる。
その間は水だけ飲んでひたすら安静するしかない。ひどい時期には、月3回くらいそういうことがあったが、回復とともに頻度が減り、01年からは数ヶ月に1回になった。今年は一度もない。
少年時代からアトピーとアレルギー性(らしい)のどの炎症があり、CS・ES発症後はさらに激しくなった。今は発症前と比べてさえ、良くなっている。アトピーはかゆみが全く消えて、荒れが少し残る程度までに。
喉の炎症もほぼ消失し、寒い季節にわずかに現れるだけだ。
全く消えてしまった症状も多い。めまい、目の疲れ、乱視、鼻づまり、腕や肩の圧迫感および蒸し暑さ、背中の痛み、手足のしびれ、体に力が入らない、胃の不調、脈の不規則、何も考えられない、歩くと体をよく物にぶつける、など。
昔と今の違いを家族に尋ねたら、次のような答えだった:外によく出るようになった、怒ってばかりいたのが静かになった、真っ青な顔色がずいぶん良くなった(ただし普通の人ほどではない)、顔立ちがふっくらして表情が豊かになった、とのこと。
第三章 採用している療法
今まで試してきた療法はたくさんあって、効果のあったものだけでも、ここには書ききれない。 食事、睡眠、運動など、生活の中の基本的な営みに絞って、有効だった方法をご紹介する。他の発症者の方々にどこまで当てはまるかは分からないけども、今後こうした情報交換が増えてくれば、私も含めて回復が容易になると思う。
〈食事〉
00年秋から始めた食生活の見直しほど、役に立ったものはない。
「食事制限をしている」と言うと気の毒がられるが、病気の苦しみと比べたら何でもないことだ。とはいえ、ストレスもたまるので、ときたまはめをはずして「おいしくて体に悪いもの」も食べている(たこ焼き)など。
体に良い食事の総合案内として、次の書籍が参考になった。
・ジーン・カーパー著『奇跡の脳をつくる食事とサプリメント』角川春樹事務所、1900円
(最新の研究がまとめられ刺激される。価格は税別、以下同様)
・アンドルー・ワイル著『ワイル博士の医食同源』角川書店、2500円(バランスのとれた食事論)
・ウォルター・ウォレット著『太らない、病気にならない、おいしいダイエット』光文社 1700円。(実証研究に基づく指針)(1)回転食
・セロン・ランドフほか著『ランドルフ博士の新しいアレルギー根絶法』桐書房、2893円(第18章に回転食の指導がある)
・ピーター・ラデツキー著『環境アレルギー』青土社、2400円(米ジャーナリストによるCSをめぐる克明なレポート。回復に一番有益だった。P154〜に回転食の説明)
これらを参考に、3年間近く回転食を続けている。基本的にローテーションは中3日、つまり、一度食べたら4日後までにその食材を口にしない。ただし、私にとってアレルギー性の強い食材は、もっと間を開けている。要は、連続して食べることで、その食材にアレルギーができるのを回避すれば良いのだ。
正式の回転食では、ある食材を同じ日に続けて食べること(たとえば昼と夜)は禁じられているが、大変なのでこのルールは省略した。
マスキングが外れてくると、驚いたことにほとんどすべての食材に急激に感作される体質であることが明らかになった。どの食材でも3日続けて食べるとアレルギーができた。今はだいぶ耐性ができて、何日か続けて食べても平気になった。そのため中3日のローテーションはだいぶルーズになってきているけど、決まった食材に偏らないという基本は、耐性維持のため心がけている。
(2)食材について
回転食でいったんマスキングが取れると、食べ物の善し悪しがとてもよく分かるようになる。以下で紹介する食事法はそういう状態の元で探求したものだ。ただし、一時的に楽になったからといって良い食材とは限らず、悪化したからといって悪い食材とは限らない(ランドルフが二相性反応として説明しているように)。本当の善し悪しを知るためには、繰り返しの実験と長期的な観察が必要だった。
(a)動物性食品
基本的に食べないようにしている。肉・卵・乳製品・魚介類など、どれを試しても悪かった。体がピリピリしてくるし、便通が悪くなる。特に肉が悪く、魚は比較的まし。乳製品は鼻が詰まったりのどの炎症がひどくなるなど、独特の反応がある。
だからといって、完全菜食が全ての人にとって理想であるとは思わない。人に最も近いチンパンジーは、少量だが日常的に哺乳類の肉を食べる(クレイグ・B・スタンフォード著『狩りをするサル』)。
人も旧石器時代の食事の約35%は動物性で、その中には多彩な食材が含まれていたと推定されている(前期のカーパーの本P70)。なので、人体が肉などの食材を特に不得手とするとは考えにくい。私に限ってうまく取り込めない体質なのだろうと考えている。
動物性食材には、それから摂りやすい栄養や、それからしか摂れない栄養もあるかもしれない。
01年は完全菜食に近かったが、はじめは良くても数ヶ月続けると、絶食の時のような欠乏感がしてくる。なので以後は、少量の動物性を時々食べている。
直後はやはり悪くなるが、長期的にはこうした方が体調が安定するようだ。「たまに食べると」と「全く食べない」のどちらがよいのか、本当のところは分からないけれど、保険の意味も含めて「たまに食べる」ことにしている。
最近は週に1〜2回、動物食にしている。量はスーパーでの試食程度から130gまで。
生の魚介類が多く、肉にすることは少ない。回復とともに耐性がつき、食べても体調があまり乱れなくなった。
いくつかの食事法では、動物性タンパク質と炭水化物を別々にとるように薦めている。
試してみると直後の悪化が軽くなるようなので、私もそうしている。
(b)油
以前は平気で中華料理を食べていたが、マスキングをはずしたら、油を使った料理が一切食べられなくなった。気持ちが悪くなり胃に滞留したままで消化が進まない。揚げてもも炒めてもドレッシングもダメ。たった一滴でも吐き気がする。比較的安全と言われるExオリーブ油でも反応する。
油そのものに反応しているのか、それとも中に溶けているものがいけないのか、不明である。いずれにしても、この不可解な激しい反応の中に、私の病気の仕組みを説くカギがありそうな気がする。
今も油ものは全く食べない。代わりに穀物などの天然の食品からも脂肪は摂ることができるし。天然物でもナッツ類だけは多く食べられず、以前は1日2〜3個までだった。今は一袋空けても問題ない。
ところで、ほとんどのマーガリンや植物性ショートニングには、トランス脂肪というものが多く含まれている。自然界で例外的にしか存在しないトランス脂肪は、人体にとって利用困難な形をしている。その有害性は定説らしく、どの栄養療法の本でも触れている。日本人の皮下脂肪の脂肪酸を分析したところ、全体の4%がトランス脂肪酸だったとの報告もある(丸元淑生ほか著『豊かさの栄養学2』)。
体の中に多量に入ってくる毒なので、注意するに越したことはないと思う、
ジョン・フィネガン著『危険な油が病気を起こしている』中央アート出版社、1300円(食用油の問題を全般的に取り上げている)前記ウィレットの本に、トランス脂肪酸の害について実証研究がある(P112〜)
(c)雑穀
肉も油もやめたので、カロリー面ででんぷん質の食材に頼る割合が大きい。
回転食で苦労したのがこれで、たくさん食べるものだから、すぐその食材にアレルギーになってしまう。これには、できるだけ食材を多様化することで対応した。今、主に利用しているのは、次のもの。
イネ科穀物:米、小麦(パスタ)、大麦(押し麦)、オート麦、キビ、アワ
イネ科以外の穀物:キヌア、ソバ、ダッタンソバ
イモ類:里芋、サツマイモ、長芋とカボチャ
イネ科の穀物は種類が多いが、共通抗原を考えて、イネ科ばかりに集中しないようにしている。
穀物は基本的に、未精製のものを選んでいる。栄養価、便通、糖の消化スピードの点で優れているためだ。
ただし、小麦とソバは私の場合もアレルギーになりやすいので、精白したものを使っている。精白した方がタンパク質の多い部分が削られて、アレルギーになりにくいためだ。添加物のせいか、なぜかパンは特に悪く、全く食べないことにしている。
穀物食はまずくはないが、白米と比べるとおかずに合わないし、早く飽きる。続けていけるよう、昆布やしそをふりかけたり、2種類の穀物を混ぜて炊いたりと工夫している。
農文協編『健康食 雑穀』農文協、1200円(米中心になる前の日本の食文化の記録)
前記ウィレットの本では、全粒穀物が特に薦められている(第5章)
(d)その他の食材
カフェイン飲料には様々な薬効があるというけれども、私の体質には良くない。緑茶、コーヒー、紅茶など、どれを飲んでも不快なストレス感がある。ただし、とても具合の悪いときに一口だけ飲むと持ち直すことがあり、利用している。このことはランドルフの二相性反応で説明できるけど、こういう利用法が本当に体に良いことなのかは分からない。
香辛料の中に、頭痛やかゆみを起こすものがある。コショウやトウガラシ、それにカレー粉の中の何か。今はだいぶ耐性がついてきたけれども。香辛料全てが悪いのではなく、ニンニクやショウガは少量であれば有益で、よく食べている。
料理に白砂糖がごく少量でも入っていると、口の中が激しく酸っぱくなり、腸の具合が悪くなる、そのため自宅でも使えないし、スーパーの加工品の多くが利用できない。
(e)水
現在、ボトルの天然水を使っている。プラスチックゴミがたくさんでて心苦しいけれど、水道水を飲むと体が重くなってしまうのだ、今まで2台の浄水器を試したが、満足できなかった。できるだけ早く、使える浄水器を見つけたい。
(3)血液サラサラ食
血流が悪くなっているらしく、血液をサラサラにすると言われる食品はほとんどの場合、体調を改善する。特に頭がボーッとする症状に良い。食べて2〜3時間すると変化を感じるが、効果はその日そのとき限りで、体質改善にまでつながらないものが多い。
試して良かったもの:ダッタンソバ、ニンニク、タマネギ、キクラゲ、麦茶、魚、ビタミンC、イチョウ葉エキス、ブドウの種エキスなど。麦茶は手軽なので、具合が悪くなった時によく使う。魚は効果の累積が期待できるので、途切れないよう食べている(オメガ3食の項を見てください)。
菊池佑二著『血液をサラサラにする生活術』講談社+α新書、840円(血液がサラサラ/ドロドロになる仕組みを説明)
(4)ビタミン剤
市販されているビタミンCのほとんどは精製モノ、または精製モノとの混合品だ。そのため飲み始めてまもなく感作され、胃が受け付けなくなった。
そこで今は、アセロラ果実の原末(ビタミンC含有率15%以上)を利用している。
これだと感作の問題はないし、穏やかながら良い効き方をする、特に喉の炎症をやわらげてくれる。
この商品は「京のくすり屋」(電話0120-752-891。http://www.yasashisa.net/kenko/)から取り寄せている。
精製ビタミンCと比べて、だいぶ高価だ(100g:3000円。500g:12000円)。
小林製薬のサプリメント「コエンザイムQ10」も時々摂っている。一粒あたりQ10が30mg、ビタミンEが30mgと、合わせて摂れるところが利点。しかも油で溶かしていないタイプなので、油に反応する私には都合が良い。理想的な商品とは思わないが、入手が容易なので当面これを続けるつもり。
(5)オメガ3食
先にトランス脂肪に触れたが、現代の食事にはそのほかにも脂肪の見えにくい問題がある。
オメガ3/オメガ6と呼ばれる2種類の脂肪があり、バランス良い摂取が望ましいが、現代人はオメガ6を摂り過ぎている。食生活の洋風化により、推定では、この40年間で日本人のオメガ6の摂取量は3倍以上に増えたが、オメガ3はほとんど変わっていない、体の中でオメガ3とオメガ6から作られる物質には相反する作用があり、接種バランスの偏りは、人体機能のバランスをも極端にしている可能性がある。
オメガ3の接種を増やすことでCS・ESが改善するかは不明だが、アレルギーや心臓病、鬱病、関節炎などの治療に幅広く使われている。私は元々アレルギー体質で、CS・ESになってから、さらに肌と喉の炎症がひどくなり、血流も悪くなったようなので、オメガ3の欠乏を疑ってみた。
オメガ6を多量に含むもの(肉・卵・乳製品や油もの・ドレッシング)を制限した上で、くるみや魚などオメガ3食材を積極的に食べるようにした。オメガ3はとても酸化しやすいので、魚もくるみも加熱していない生のものを必ず選び、酸化防止のためにビタミンEを補った。アマニ油とシソ油は、食用油の中で例外的にオメガ3が豊富で、いくつかの本が薦めているが、試してみるとほかの油と同じように気持ちが悪くなり、採用していない。
食事法の結果は良好だった。すぐに分かったのは、頭がすっきりし、気分が落ち着き、乾燥肌がきれいになったこと。アトピーと喉の炎症は改善に数ヶ月かかったので、並行していたほかの療法と評価を分離することが難しい。試しにオメガ6系の油脂を摂ると即座に炎症がひどくなるので、やはり今の食事は効いているのだと思う。
・ドナルド・ラディンほか著『完全栄養食ガイド』中央アート出版社、1800円(オメガ3食の実践編)
・奥山治美著『薬で治らない成人病』黎明書房、1800円(オメガ2食の理論編)
前記したカーパーやワイルの本にも、オメガ3/オメガ6の説明がある。
(6)Th1/Th2バランス食
CSの7割近くは、目、鼻、皮膚、呼吸器などにアレルギーを持っており、私も発症前からアトピーを持っていたので、アレルギー体質について理解し改善することでCSにも好ましい影響があるのではと、期待している。アレルギー体質とは何か?最近の本では、次のようで説明されることが多い(ほかの説もある)。
免疫の司令官にあたるヘルパーT細胞には、Th1とTh2が知られている。この二つは、免疫の働きについて対照的な指示を与える。アレルギーになりやすい人の場合、両者のバランスが崩れてTh2が強くなりすぎ、Th2系の免疫反応が極端なものになりやすい。特に先進国ではTh1/Th2のバランスが乱れやすい条件ができ(1.合成化学物質による汚染2.感染症と闘う機会の減少など)、アレルギーが急増している。
この理屈によると、TH1/Th2のバランスの回復によってアレルギーを体質レベルから治せるはずだ。
まだあまり研究されていないようだが、そういう食材がいくつか見つかっている。
Th2優位で抵抗力の落ちたガンの人のために、カワラ茸から抽出されたPSKが使われている。
アトピーの人にある種の漢方薬を処方して効果を上げている医師もいる(値が変化するまで少なくとも3ヶ月は必要という)。
Th1を活性化するというシジュウム茶とニンジンを私も試してみた(山下明男著『花粉症の自然療法』)。
長期的な体質改善の効果があったのか、よく分からなかった。
短期的にはニンジンを食べ始めて3〜4日で食物アレルギーが改善し体が楽になったと感じたが、ニンジンの他の作用のせいかもしれない。そういうわけでこの食事法には、いまいちとの印象を持っているが、考え方はおもしろいのでご紹介した。
菊池新著『アトピーはもう難病じゃない』現代書林、1200円(TH1/Th2のしくみをわかりやすく解説)
藤田紘一郎著『体にいい寄生虫』講談社文庫、467円(感染症を撲滅するとアレルギーが増えるというジレンマ)
上野川修一著『免疫と腸内細菌』平凡社親書、700円(腸内菌バランスとThバランスの関係)
(7)有害ミネラル除去
ミネラルの中には基本的に有害無益なものがある(鉛、水銀、カドミウム、アルミニウムなど。)
鉱物資源の利用が盛んになり、現代人の体は過去に経験したことのないレベルで、これらの有害ミネラルに汚染されるようになった。たとえば現代アメリカ人の血液中の鉛濃度は、産業革命前の100倍と推定されている(丸元淑生ほか著『最新ミネラル読本』)。
サウナ療法がとても効果的だったことから、脂肪組織に蓄積した有害ミネラルを、化学物質と共に疑うようになった。特に私の口の中には金、銀、パラジウムなど13個の歯科金属が並んでいてアマルガム合金(40〜50%が水銀)も三つある。
有害な重金属を無害化したり、排出を促す上で、次の栄養素が特に需要といわれている:ビタミンC、セレニウム、亜鉛、銅、クロム。アミノ酸のシスチンとメチオニンを試したことはないが、それ以外はサプリメントや食事で気をつけて摂っている。
ダニー・スタインバーグの本には水銀の排出を助けるキレート剤がいくつか紹介されている。そのうち今年の2月と4月から、コリアンダーとMSMを試した。コリアンダーはタイ料理などで使われるハーブ野菜で、大分県で作られたものが大きなスーパーに置いてある。コリアンダーを食べてしばらくすると、とてもだるくなり眠くなった。定期的に食べ続けると、こうした副作用は後退していったので、解毒の反応だったのではと解釈している。コリアンダーは今も続けている。水銀の他に、鉛やアルミの排出も促すという。
MSMは天然の動植物に含まれ人体が利用している有機イオウで、日本では腰痛、関節痛のサプリメントとしてドラッグストアで売られている。飲んでみるとコリアンダーと同じく、眠気とだるさの反応があった。ただし、こちらは精製モノなので、ときたま摂取にしている。
ダニー・スタインバーグ著『口の中に潜む恐怖』マキノ出版、1400園(歯科水銀の害について。対策も詳しい)
慢性疲労症候群の人のCS併発率は20〜37%だ。メカニズムや治し方が共有できる場合もあるだろうと思い、関心を持っている。この病気には重金属原因説があり、ストックホルム大学のベラ・スタイスカル(環境汚染と免疫の問題の権威)は次のように報告している。「私どもの調査によりますと、慢性疲労症候群の患者の55%がパラジウムに金属アレルギーを持っていることが分かりました。鉛49%、金48%、水銀45%と続いています。
こうした金属を身につけず、極力摂取しないように指導したところ、77%の患者に症状の改善が認められました」(丸元康生著『ビタミンがスンナリ分かる本』)。
(8)絶食のこと
00年秋に試したところ、絶食は確かに効果があり、症状が消失する。けれども、もっと楽な代わりのやり方があると思うので、今はほとんどしない。絶食がこの病気に効くのは、主に腸のトラブル(1.食物アレルギー反応、2.便の滞り)を回避するためで、それならば別のやり方でも対処できると考えている。
食物アレルギーは回転職を続けることで改善するし、後述の〈排便〉であげた工夫により、お通じも良くできる。
〈運動〉
外出するのが日課になっている。歩くとしんどいので、たいていは自転車をこぐ。
回復して余力がつくにしたがい、時間と距離をのばした。無理するのは良くないけれど、だるいからといって全く動かないでいると悪循環になり、もっと動きにくくなる。毎日外に出るのは、こうした体力維持のためでもあるが、自宅の空気ばっかり吸っていると感作されるためでもある(回転食の空気版みたいなものだ)。
運動のほか、姿勢にも気をつけている。、体力不足もあって以前はうつぶせで本を読んだり作業をすることが多かった。この格好が体に大変悪いのではと、ようやく昨年から疑い出した。だるくても上体を起こして本を読んだりするようにしたところ、頭がスッキリ軽くなり、首のこりも改善した。ある流派の考え方によれば、上部頸椎は要所にあたり、ここがずれると背骨全体に波及するという。
〈睡眠〉
今年3月、旅先でT.S.ワイリーらの本に出会い、その考え方に刺激された。彼女らは次のように論じている。
昼と夜が作り出すリズムは、人体のホルモン分泌リズムの基準になっている。
大昔の人は野生動物と同じ長さの夜を経験していた。暗闇は平均すると1日12時間続き、夏は短め、冬に長めになる。それに併せて、季節ごとのホルモンのリズムも決まっていた。ところが人工照明の発明がもたらした短い夜のため、人体はホルモンを一年中夏モードにセットするようになってしまった。ガン、糖尿病、うつ、肥満など多くの病気は、このようなホルモン系の設定点のずれの結果であり、食事や運動療法だけでは対処できないという。
以前から私は、睡眠時間が小間切れになったり安定せず、眠りにつく時間がずれて後退していく傾向があった。眠りの質も悪かった。たびたび戻そうとしたが、うまくいかなかった。
彼女らの本で睡眠の重要性を見直し、進められている方法を試した(自己流で)。
この方法の原則は、決まった時間に消灯し、1日12時間を暗闇の中で過ごすことだ。
もちろん、そんなに長くは眠れないから、9〜10時間眠って残りの2〜3時間は暗い中でおとなしくしていることになる(自然に帰るのも楽じゃない!)。私は、考え事や瞑想に当てている(瞑想の効果についてはラデツキーの本P244に)。
夜間に分泌されるメラトニンというホルモンは、わずかな光にも反応してしまうので、寝室は完全な暗闇を保つように注意している。
新しい方式は3月8日に初めて、現時点までよく続いている。入眠の時間がずれて昼夜逆転することもなくなった。眠りの質も良くなり、さわやかに目覚めるようになった。肌がきれいになったし、食後に感じる下腹の不快感も表れにくくなった。始めたばかりの時は心理的・身体的エネルギーの低下を経験したけれど、そのうち治った(調整の期間だったのだろう)。
T.S.ワイリーとベント・フォーンビー著『眠らない人は太る、病気になる』はまの出版、2000円(進化と眠りとホルモン系を一つに結んだ新しい理論)
三池輝久著『フクロウ症候群を克服する』講談社、1300円(睡眠リズムが混乱して、だるささ物忘れを訴える人々を研究)
〈散髪〉
どういう訳か、髪を短くしておくと体が楽だ。94年か95年からずっと、月2度坊主刈りにしている。
ナショナルの家庭用バリカンを使っているので、低コスト。髪が伸びてくるとイライラなどの症状が悪化してくるので、刈り時が分かる。坊主にすると急に楽になる。特にESに聞くようだ。どの本にも書いていないが、これでだいぶ助かった。
〈発汗〉
自宅で使っているサウナは潟tジカの「スマーティ」という製品で、比較的普及しているらしく、地元のエステサロンなどで見かけたことがある。資料によると、「スマーティ」は遠赤外線を当てて体の深部まで暖めるため、普通の入浴などと比べて、特に脂溶性の毒の除去に優れているという。
サウナを受けると、すっきりと気持ちよく、その後しばらくは好調が続く。そしてだんだん体調が落ちてきて、再びやり時だと分かる。得に手と腕先がピリピリしてくるのがサインになっている。初めの年は4〜5日に1度のペースでサウナを受けた。次第に回数を減らしても好調が保てるようになり、最近は1ヶ月に1度くらいで良い。
ラデツキーの本によれば、解毒に伴い激しい反応が現れるため、サウナに耐えられない人もいるという。私の場合、副作用はなかったが、長時間入っていると体によいものまで流出するらしく、気の抜けたような状態になることがあった。それから、至近で電磁波が放射されるため、初めの頃はそれで気持ち悪くなっていた。それでも長期的な利得を考えて我慢して続けたところ、体質レベルから累積的に良くなったし、その結果サウナの電磁波も気にならなくなった。
ランドルフの本第21章は、サウナの解毒がテーマ。ラデツキーの本では、ダラスのセンターのサウナ療法が紹介されている(P158〜160)。
潟tジカの連絡先は、電話03-3255-4137。http://www.fujika.co.jp。
スマーティの価格は29万8千円で、各種の療法の中で一番の大きな出費だった。
〈排便〉
食物アレルギーのためか、もともと腸が乱れやすく、ちょっとしたきっかけで発酵し便がくさくなる。CS・ESになってから、それがさらにひどくなった。ここ数年は食事を通して対処してきた。便通を悪くする最大の要因は肉食で、食べてからでるまでの時間が大幅に遅れてしまうし、便もくさくなる。
00年秋、肉類を制限したうえで、たくさんの繊維を摂ることで、便通はとても良くなった。1日1回だったのを、3〜4回に増やすことに成功した。繊維の豊かな末精製の穀物に切り替えたことが、特に効果的だった。オリゴ糖や整腸剤(乳製品など)もある程度は有効だったかが、ひとたび腸が乱れると、焼け石に水という感じだった。
こうした工夫で排便回数の問題は解決したが、相変わらず便はくさいことが多く、その毒性の強い便をできるだけ早く体外に出せばよいだろうと思い、今年3月17日から自宅で腸洗浄を始めた。以来ほぼ日課になっている。腸洗浄とは、おしりから温水を注入し、たまった便を温水ごと洗い出す療法のことだ。簡単な仕組みの家庭用器具が開発されている。
腸洗浄を始めてみると、排便の直後にした場合でさえ、かなりの便が排出され驚いた。回数の上では便秘ではなかったが、常に漂っているタイプの便意だったのだ(下行結腸以下の「交通渋滞」を指す。いわゆる「宿便」の話ではない)。使用後はスマーティと似て、実に気持ちよく爽快になる。気持ち良さの程度は、たまっていた便の質・量によるので、単に排出自体の気持ち良さではない。しばらく使わないと体がピリピリしてくるところなども、スマーティに似ている。
そして腸洗浄をするようになってから、スマーティがなくても好調でいられるようになった。腸洗浄には、サウナと似た解毒作用があるようだ。発症者にとって、結腸にたまった便の解毒が体への負担の一つになっている場合や、さらには、その毒素に反応して症状が出ている場合もあるではないか。この問題についても調べてみるよう、研究者の方々へ要望いたします。
私が腸洗浄に使っているのは、和田商事の「シャワラー」という製品で、2万8000円。購入前に一度指定医の指導・許可を受ける必要がある(そのとき、5千円前後の診察料がかかる。)シャワラーの材質は、天然ゴムとプラスチック。
連絡先は電話03-5323-0780。http://www.wadaken.net
はにわきみこ著『たまらない女』情報センター出版局、1200円(便秘克服の体験をつづった読み物。シャワラーなど多数の療法を紹介。文庫もある)
バーナード・ジェンセン『汚れた腸が病気を作る』ダイナミックセラーズ出版、1200円(腸毒の害を説く。腸洗浄などの浄化法も詳しい)
断り書き
(1)体の内側に働きかけて症状・体質を改善する手法ばかりを取り上げた。だからといって、CS・ESが環境病であることを否定しているわけではない。体の外側にあって反応を引き起こすものを捨てたり遠ざけたり、法的に規制することと、内側に働きかける療法との間に特に矛盾はない。どちらも病気の苦しみを解消するためのものだ。
(2)第3章で紹介したサプリメント、家庭用サウナ、腸洗浄器が、他の発症者の方々も安心して使えるものかどうかは、よく分からない。私のCSは比較的軽い方だし、1名限りの体験だ。取り上げた参考図書も、反応したり、体力が足りなくて読めない方もおられると思う。厳しい状況の方が、ゆっくりとでも回復されることを、お祈りしている。回復のコツ
終わりに僕の哲学を言わせてください。回復のコツは柔軟性だと思う。何がきっかけで回復するか分からない。だから一つの説明の仕方、一つの療法など、枠にとらわれていると、回復のチャンスを見逃してしまう。例えば私は発症から7年間、食事の大切さに気がつかなかった。今は努めて柔軟に、決まった意見を持たないようにしている。ここに書いてきたことも丸飲みなさらないで、参考程度に受け取ってください。
あとがき
富山市に住んでいる。地元の富山、石川の発症者とは一度連絡を取りたし。また、回復に意欲的で、情報交換してくださる方なら、どこの方でもどうぞ。ESなので手紙やFaxが都合良い。細々とでも交流できたらと思う。
今はあまり動けないが、もっと回復したら、他の発症者のために何かできることもあるのではと思う。
完治して普通の生活ができるようになっても、苦しんでいた時期のことを忘れずにいたい。
【編集担当から】
立山さんから、具体的で貴重な情報をいただきました。回復のために努力を惜しまない立山さんの姿勢には、胸を打たれます。
北里研究所病院・宮田幹夫先生にこの原稿をご覧になって頂いたところ、先生からもご賞賛いただきました。
ただ、一点だけ「腸洗浄」は、「腸にとって不事前な環境をもたらし、かつ、習慣性ができやすいので、あまりお薦めしたくない」旨のご意見をいただきました。立山さんのご理解の上、付記させて頂きます。
可能な限り、医師とご相談されることをお薦めいたします。
脱化学物質ブックレット4「化学物質過敏症症例集2004」
(化学物質過敏症支援センター発行¥700)より
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